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zoom RSS 古代ウナギと海の浪漫

<<   作成日時 : 2010/10/02 15:59   >>

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ちょうど10日ほど前になりますが、>パラオ諸島の海底洞窟で、新種のウナギが発見された、というニュースが報道されました。

約2億年前の姿をとどめるこの「古代ウナギ」を発見したのは、アマチュアの海洋生物研究家の坂上治郎さん(←飛びません)と北里大など日米の共同研究チーム。
2億年前は、ジュラシックパークの世界が広がる恐竜が闊歩する時代。そんな時代からほとんど姿を変えていない生物がいるなんて、実に面白いですね。

海底洞窟といえば、インドネシア沖やマダガスカル島沖の海底洞窟では、同じく古代魚といわれるシーラカンスも発見されていますね。


生物が進化するためにはいくつかの条件があるというのは、ダーウィンの「種の起源」でも言及されています。
環境の変化に対する適応のため、食性を変えたり生活スタイルを変える必要が出てきた場合。
競合する生物が現れた場合にもその必要性が出てきます。
もちろん、その他にもいろいろな条件がありますが、生殖段階で生じた遺伝子変異が蓄積し、それが固定されてていくことで、新たな種が生まれていきます

表現が少し難しくなりましたが、要するに、

たまたま生まれた突然変異が生存に有利ならば生き残る
        ↓
子孫が増えていくことで仲間が増える
        ↓
その中で更に変異が蓄積していくことで、亜種や種へと分岐

というパターンを辿るのが、一般的な進化の道筋です。


分類学では、大きなグループから、「目(もく)」「科」「属」「種」「亜種」というように分かれています。

ほとんどの場合、亜種同士では交雑が可能だと言われています。
つまり、交雑できなくなるほど遺伝子に変異が入って遺伝的に離れてしまうと、「種」として分岐する、というわけです。


パラオ沖の海底洞窟というのは、天敵も少なく、環境の変化もあまりなかったようで、太古の姿のままでも不便なく生き残れたのでしょう。いやむしろ、他者との競合を避けるために洞窟に隠れ住んだのでしょうね。


今回のウナギは、ウナギの仲間では最も原始的なタイプだと考えられているそうです。
しかも、約70年ぶりに新たな「科」に分類されたそうです。

これがどんなにすごいことか、いまいちお分かりにならない方のために・・・・
お宅のペットの猫は、

ネコ科
ネコ亜科
ネコ属
ヤマネコ種
イエネコ亜種

に分類されています。

ネコ科の中には、ネコ亜科の他にヒョウ亜科があって、この二つの亜科中に、ライオン、トラ、チーター、ヒョウはじめ、全てのネコのような生物が分類されているのです!!

今回のウナギは、この大グループの一つ、新しい「科」を形成する位置づけに分類されたのです。

成魚は黒褐色で全長は最大約20センチくらいだそうで、一般的なウナギよりも小さいですね。
他のウナギ類と比べて脊椎(せきつい)骨の数が少なく、ずんぐりした体であることや、独立した尾びれ(普通のウナギは背びれ腹びれまで含めた一体型)があるなど特異な形態を持つことなどが特徴だそうです。

これらの特徴が、発見されている約7千万年前のウナギ類の最古の化石よりも、さらに原始的な特徴をとどめていたことから、それよりも古い時代の生物だと考えられたそうです。

実際に、千葉県立中央博物館がミトコンドリアDNAを分析したところ、19科あるウナギ類のどの科にも属さない新種と判明したそうです。

進化学の分野では、ミトコンドリア解析によって、かなり正確にその生物の進化上の位置を決めることができるようになってきました。

ミトコンドリアというのは細胞の中のエネルギー産生に関わる大事な器官で、核DNAとは違った、独自の遺伝子(ミトコンドリアDNA)を持っています。
細胞質に含まれる器官のため、母親から子供へ受け継がれます。
(生殖の際に、精子は核DNAのみを卵子の中に入れるので)
ミトコンドリアDNAを調べることで、母親の系譜を遡って、その先祖を調べることができるわけです。
聖書になぞらえて、ミトコンドリアから辿った最初の母親のことは「ミトコンドリアイブ」と呼ばれています。

今回のウナギも、このミトコンドリアDNA解析により進化の系統を調べた結果、約2億年前の中生代三畳紀後期からジュラ紀前期に、現存するウナギ類と枝分かれした原始的なウナギと分かったというわけなのです。
ちょうどこの頃(2億数千万年前)、ウナギ類は普通の魚から分かれ、海底を泳ぐのに適した細長い体になったと考えられているそうで、今回のウナギは、この進化過程の初期に位置づけられたということです。


地球の7割を占める海。その海に暮らす生物のことは、実はまだほとんど解明されていないと言われています
未知の生物が、まだまだたくさん潜んでいるのです。
今回の発見は、わずか数10メートルの海底洞窟でのことです。
深海6500の深海探査では、毎回新しい生物が発見されていましたし、浅海から深海まで、不思議がいっぱいの場所なのですね。

海。

浪漫あふれる場所ですね。


普通のウナギだって謎がいっぱい。
最近ようやく、レプトケファルス(ウナギの幼魚)の生態の一端が分かってきました。


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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
新しい科! ウナギとちゃうんか、と思ったら、ウナギだけで19科もあるのですか。びっくりだ

ところで「たまたま生まれた突然変異が生存に有利ならば生き残る」に対しては分子進化の中立説とか「ほぼ中立説」とかとの兼ね合いも書いてほしいところ。
ミトコンドリアDNAで系統解析ができるのは、中立説のおかげですよね
きくまこ
2010/10/02 18:23
中立説

確かに、中立説の根拠となっている「分子進化時計」の考え方によって、ミトコンドリアDNAでの系統解析が行われていますね。表現型レベルで観察される進化速度は種によって大きく違っているけど、分子レベルでは、ほとんど差がなく一定である。というのが「分子進化時計」。
本当に一定かどうかについては議論がされていて、まだ完全にそうだとは言えないようですけど・・・。
まや
2010/10/03 01:24
分子進化の世界では塩基置換は中立的に起こる(塩基置換は自然淘汰に対して良くも悪くもない)という、「ラッキーならば生き残る」というのが中立説の考えですね。
分子進化の世界で言う「突然変異」の中では、不利な変異は集団からすぐに除かれるので進化には影響せず、集団内に残っていく変異の大部分は生存に中立な変異。生存に有利な変異はごく少数しかない。
というわけです。
まや
2010/10/03 01:24
ここで使った「突然変異」は、表現型に対する言葉で、つまり、アミノ酸に変化が入る置換です。形態が変わってしまうような変化です。これを非同義置換といいますよね。一方で、DNAには、遺伝子としての機能を持たない場所がよりたくさんあり、そういうところに置換が入っても表現型には影響しません。この置換を同義置換といいます。(同義置換と非同義置換では進化速度が違うのです。)

中立的な変化は目に見えないので、遺伝子の解析技術が進んできて初めてその証拠が明らかになってきました。DNAの塩基置換は環境に関係なく中立に起こるけど、表現型に関する重要な変異は自然淘汰によって抑制される。
まや
2010/10/03 01:25
偶然と淘汰が同時に起こることで実際の進化が進んでいくのですが、中立説を絡めて書くと、表現型の話の中では説明が複雑になるので省きました

分子レベルでの遺伝子の進化は、生物の生存にとって有利でも不利でもない中立的な突然変異が偶然に広まって集団に固定化することによって「も」起きる。
 
ってことで、今回のブログに中立説は登場しないという方向でご容赦いただけないでしょうか・・・
まや
2010/10/03 01:27
同義置換という場合は、コード領域で起きる「アミノ酸が変化しない点変異」を指さない?
イントロンでの変異も同義置換というんでしたっけ?

きくまこ
2010/10/03 02:34
表現形の変化についても、「有利なら生き残る」のか「不利でなければ、あとは偶然」なのか、って問題もありますね。どっちもありなんでしょうけど
きくまこ
2010/10/03 02:48
それはそれとして、「古代ウナギ」と聞くと、それだけで「巨大なウナギに違いない」と思ってしまうのは、怪獣映画のせいでしょうか(^^
きくまこ
2010/10/03 02:51
同義置換は遺伝子内での用語ですね。
イントロンでの変異は全ての変異が同義置換に相当するので、わざわざ名前をつけていません。
そんなこんなで、敢えて呼ぶとしたら、イントロン内の塩基置換とかいうんでしょうか。
まや
2010/10/03 02:54
有利ならより高い確率で生き残り、
不利なら淘汰される
その中間であれば、どちらにより近いかで可能性が変わるのでしょうか。
まや
2010/10/03 02:56
「古代ウナギ」・・・
怪獣映画のせいばかりでもないように思いますけど。
確かに古代の生物は巨大な物が多いですからね。
恐竜以外にも、30センチもあったらしいトンボとかゴキブリとか。
まや
2010/10/03 02:58

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